リール整備
上の写真の左側はクラッチカムのリンケージが載っていたのを取り外したところです。塩ガミと汚れでリンケージが動かなくなっていました。当然、クラッチは動きません。
このくらいまで整備を放置すると後々まで大変です。トレイの上に散らばっている小さなゴミみたいなものは塩ガミです。
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電動リールのクラッチカム
私のところにはメーカー修理を断られたリールが持ち込まれることが多いです。いわゆる古いリールです。皆さん愛着があるので、できることなら使いたいと思うのが心情です。メーカーが修理を受け付けないのは部品がないからが主な理由だと思います。しかし、古いリールの部品でも基本的な動きをするものは違う機種で使われているものがかなりあります。これを探し出すことができれば、何とか整備することができます。
これはある電動リールのクラッチカムですが、左側の部分が折れてしまっています。この先にクラッチの役目をするバネが刺さっています。
クラッチカムが実際に組み込まれている写真ですが、折れている部分は左斜め上の部分です。メインギア、ピニオンギアを全て取り去ってからクラッチカムプレートを取り外します、そして交換。一番面倒なのは2箇所のバネの取り付けです。
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レオブリッツ150の整備
以前、タチウオ釣りの帰りにレオブリッツ150の整備を頼まれました。タチウオが掛かると、ドラッグが効いているわけではないのにかってに糸がズルズルっと出てしまうというトラブルです。
開けて、いろいろと点検していて気になるところが一つだけありました。このリールはハンドルに付いているメインギアとモーターからくるモーターハウスギアを一つにして、その回転をベルトを介してスプールギアに伝えています。このベルトが滑っていることを突き止めました。
このベルトを交換すれば治るだろうと思い、釣具店を介してこの部品(650円)を注文しました。ところが、すぐに返事がきて、この部品はダイワ預かりでなければ治せないと言われました。部品だけの販売はしないということになっているのだそうです。しようがないので、ダイワに預けました。5,000円以内なら直すがそれ以上だったら連絡してくださいということにしました。
三週間ほどして連絡があり、21,000円掛かると言われました。どうして、21,000円なのか疑問でしたので、そのまま、戻してもらいました。しばらくして戻ってきたリールの修理明細を見て、驚きでした。何とモーター自体の交換に15,000円、スプールとピニオンギアの交換で6,000円。ベルトのことは何も書かれていません。きっと、モーターの交換の中にこのベルトの交換も含まれているのだと思います。
電動モーターを使っているときに滑るのならわかります。滑るのは、ただ糸を引っ張っただけでも滑ります。モーターを交換するのは過剰整備という気がします。
はっきりしないままにこのリールは当事者に返してしまいました。その方は21000円出してやってもらってもいいと言ってくれましたが、私はこのリールの作りには疑問を持ちましたので、新しいのを買った方がいいとアドバイスしました。その方はシーボーグ200Jを新たに購入しました。シーボーグはベルトを介して回転を伝えるという方式は取っていません。セットプレートギアがモーターハウスギアとスプールギアの間にあって直接回転を伝えています。
電動リールの価格をできるだけ抑えるためにやっているのでしょうが、すぐに壊れてしまってはどちらがいいのかよくわかりませんね。
現在、市販されている通常使用の電動リールにはダイワ製とシマノ製があります。どちらがいいかはその方の好みになります。私は両方持っていますが、どちらがいいかは私にも言えません。でも、好みから言えば、私はダイワの方が好きです。使い勝手がいいし、デザインもいいです。
いろいろな方のリールの整備を請け負っていて一つ気になるのは、メーカーが「メーカー預かり」と言って、その部品を供給してくれないことです。全ての部品ではないですが、時々そのようなことがあります。
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ダイワ シーボーグ150Jの整備
開けたら、すごいことになってました。
開けていくに従ってひどい汚れや塩ガミが出てきます。すぐ上の写真の右側の大きな茶色い丸い輪状のものはベアリングですが、全く動いていません。少しほったらかしにしておくとこうなってしまいます。
左側カバーを開けてやっとスプールを取り出したところです。スプールシャフト両側にベアリング が取り付けられていますが、全く動かず。でも、まだこれはいい方です。酷いのになると、ベアリングがケースにこびりついてしまってベアリング 自体が破壊してしまっているのもあります。ベアリング外側がケースにこびりついてしまってなかなか取れないこともあります。
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電動リールの整備を始めてみて
3月末に4月から電動リールの整備も始めますと皆さんに伝えたところ、すぐに整備依頼がありました。新しいリールはメーカーに持ち込まれる方が多いので、私のところにくるのはメーカーに修理を断られたものを聞いてくる方が多いです。
私には液晶のデータ表示部分まで直すことはできません。クラッチ部分のトラブルが多いので、私にも治すことはできます。私は打木屋のレンタル竿に付いているリールの修理を一手に引き受けております。そのための部品は予め用意してあります。ですから、電動であってもクラッチ部分の部品は手巻きリールと共通の部品を使っていることが多いです。トラブルの原因となった部品が共通部品なら、すぐにでも直すことができます。その都度メーカーに部品を発注していたら、一週間くらいは掛かってしまいます。
私のところに持ち込まれて、もし治すことができなければ、そのままお返ししています。去年まではもし治らなくても、ある程度の料金は頂くというような偉そうなことを言っておりましたが、今年からはそのままお返ししてます。でも、返却の際の送料だけは頂きますが。。。
ダイワのスピニングリールではマグシールドなるものが内蔵されています。この部分はメーカー預かりでなければ治しませんと言っています。修理に出せば、当然診てくれるでしょうが、修理代が高くつきます。私は磁性体オイルを入手しております。できるだけ安く整備します。元々、マグシールドなるものはシャフトの回転には無くてはならないものではありません。海水の侵入をある方向からだけブロックしようとする機構です。もし、オイルが抜けてしまえば、潤滑はおろか海水の侵入さえ防げません。
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