2020年1月13日(月)

ダイワ 両軸リール ミリオネアとミリオネア・バサラ

ダイワの代表的な両軸リールにミリオネアとミリオネア・バサラがあります。元々はミリオネアだけでしたが、これにバサラが加わりました。値段はミリオネア100シリーズで定価36,300円で、バサラは44,300円です。ちょっとバサラの方が高い。

バサラは元々のミリオネアを進化させたものという謳い文句で、皆さん誰もがこちらの方がいいと認めるとダイワは思っているのでしょう。最近、バサラも自分で整備する機会が何回かあり、元々のミリオネアとバサラ双方の整備面からの違いを述べたいと思います。

ダイワが謳っているマグシールドなるものとはどういうものなのか? と皆さん疑問を持たれる方も多いと思います。私はこの機構はいいものと思っていますが、それだけでは塩ガミや汚れは防げません。マグシールドしてある部分はいいのですが、その他の部分には相変わらず塩ガミや汚れは付いています。それにマグシールドのベアリングはダイワに整備を出さないと交換してもらえません。しかも、高いです。ダイワの方が一年に一回は整備に出しなさいと推奨していますが、これって囲い込みではないのでしょうか?

ついこの間、整備依頼を受けたバサラは ドラッグ不良・リール逆回転・メカニカルブレーキ不良ということで私のところに来ました。開けてみると、すごい塩ガミと汚れでした。マグシールドベアリング以外の箇所をきれいにしてグリスアップしたら元に戻りました。交換したのは通常のベアリング一個でした。私にはマグシールドなんて謳い文句だけで実際の効果は疑問に思えます。

古いミリオネアの修理を時々受け付けますが、そのリール固有の部品を交換しなければならないというケースは稀です。殆どがベアリング の交換とグリスアップだけで動くようになります。ミリオネアにしてもバサラにしても基本性能がいいのです。

では、どちらが塩ガミや汚れに対して強いのでしょうか?これは外側カバーの作りを見るとよくわかります。

上の写真二枚は元々のミリオネアのものです。下の写真はバサラのものです。

元のミリオネアには右側カバーにネジが露出していません。左側カバーを開けてからしか右側カバーの円周部分を取り外すことができない構造になっています。バサラの場合は六角レンチで開けなければいけないのですが、右側カバーのネジを緩めてすぐに開けることができます。この構造を見比べるだけでも海水侵入の対策の違いがわかると思います。これでもまだ海水はリール内部に侵入してきます。スプールの回転部分の縁からの海水の侵入は防ぎようがありません。私が言いたいのはマグシールドだけでは海水侵入対策としては不十分だということです。むしろない方が整備のしやすさからしたらいいのではと思っています。