2019年12月6日(金)

最近のリール トラブル2題

動かなくなった又は動きが悪くなったリールの整備をしていると、今まで自分では気が付かなかった箇所に動かなくなった原因があることを気がつかされました。ベアリングや特定の部品の不具合なら、それらを交換すれば済むことです。しかし、それらばかりではないところにもリールがスムースに動かない原因があります。それは海水の侵入によるサビですね。

上の写真で、スプールシャフトが見えると思います。一見したところ、問題無さそうに見えますが、表面上にはかなりサビが付着しています。この銀色のシャフトにはピニオンギアが被さり、末端はボールベアリングが支えています。このシャフトにサビが浮くとスムースな回転の障害となり、しまいには動かなくなってしまうのです。このリールの整備を頼まれた方は、メーカー修理の見積もりを出したらもうちょっと金額を足せば新品を買えるくらいの修理費を出してきたので、高いと思ってこちらに持ち込んできました。ベアリング等の部品は何とか動いていましたのでそのままにして、スプールシャフトを磨いて問題なく動くようになりました。

このリールは動きが悪くなったと言って、修理に出されました。開けてみたところ、ボールベアリング4箇所が動かないどころか破壊してしまっておりその破片が色々なリンケージやギアの歯に挟まっていました。もう1箇所は原型は留めているものの全く動かない状態でした。ベアリングのケースの外縁部分が本体のシートからなかなか取れませんでした。サビで固着してしまっているからです。

上の写真ではベアリングが壊れてしまっている状態です。他に無数の小さな鉄球が飛び散っていました。ここまで放置すると後が大変ですから、動きがちょっと悪くなったと思ったら、できるだけ早く整備に出したほうがいいです。