2018年5月14日(月)

アジ釣り  潮の速い時のタナの取り方(2)

上の図では表層から下層までほぼ均一に潮の流れがあることを表しています。道糸はほぼ直線的に斜めになっています。下層でも潮の流れがあるので、ハリス部分はほぼ横になびいていると考えてください。このような時はコマセを撒いてから更に仕掛けを持ち上げる必要はありません。コマセの煙幕の上側に仕掛けが来てしまいます。しかし、釣り人が潮が通っているのを目で確認できるのは表層でしかありません。底近くの潮の流れがどうなっているかはタナの取り直し時のオモリの付き方とか魚の喰いとかで判断するしかありません。

2枚目の図では表層だけ潮の流れがあることを表しています。下層では表層ほど潮が流れていないのでハリス部分は少し下に垂れ下がるでしょう。道糸は表層部分だけふくらんで、下層に行くほどほぼ真下に落ちて行きます。このような時はタナの取り直しをすることによってほぼ直線的に直して行くことができます。いわゆる”糸フケを取る”ということです。2mでコマセを撒いたら、通常通り1m持ち上げた方が針がコマセの煙幕部分に入ります。下層の潮がどうなっているかはわからないので、最初のうちは手探りでやるしかありません。どのようにしたら魚が当たりがあったかを一番大事にします。

魚の喰い方がモヤモヤしてよくわからない時は待っているタナが低い場合が多いです。反対にいきなりキュンと引っ張るような当たりだったら、タナが高いと考えていいと思います。

潮の速い時にビシオモリが底に着いたら、すぐにタナを取り始めることはせず、まずタルミを取ることが大事です。この時にまず左の親指でスプールを押さえて着底した後のスプールの回転を素早く止めておくことが大事です。糸フケが取れたかどうかはオモリをちょっと持ち上げてすぐに下ろして底に着いたことを二、三度確認してからタナを取り始めると良いでしょう。いい加減なところでコマセをいくら撒いても、自分の針に当たりが来なければ意味がありません。自分が撒いたコマセで隣の方に当たりが来てしまっては面白くないと思います。自分が撒くコマセで自分の針にアジを掛けるには適切なタナでできるだけ濃い煙幕を作ってやるしかありません。チョロチョロと少しずつ出るようなコマセの撒き方では自分の針には掛かりません。また、広い範囲にコマセを撒くことも必要ありません。コマセを撒く時の竿を振るストロークの幅はせいぜい1mくらいで結構です。一度に竿を振る回数は二回か三回です。その代わりに強く濃いコマセを出すようにします。そして15秒か20秒ほどは待つことも大事です。(やたらに竿を上下させない。) 次にコマセを撒く時は、潮のない時にはそのまままた竿を振ればいいですが、潮のある時は一度タナを取り直してから振った方が確実です。コマセを詰める時はカゴにはみ出るくらい一杯詰めます。これはゆるゆるに詰めると落ちて行く時にほとんど無くなってしまうからですし、コマセを振る時には濃いコマセを出したいからです。このようなコマセを撒く操作を3回ほどやって当たりがなければ、巻き上げてコマセを詰め替えてください。だいたい無くなっているはずです。もし、コマセが十分に残っていたら、それはあなたのコマセの振り方が弱いからです。濃いコマセの煙幕を作ることが大事なので、適当に竿を振ってチョロチョロとコマセを出すような操作はしません。

潮のある時のアジ釣りはかなり難しいですが、アジの活性はやはり潮のある時の方が断然いいです。タナの取り方とコマセの振り方で釣果は歴然と違って来ます。また、これからの時期は40cm前後の大型も顔を出して来ます。魚が掛かってリールを巻く時に竿を下向きにしておかないで水平にしておくと大型の急な引きにもある程度は竿の弾力でカバーできます。竿を下向きにしておくと竿の弾力を利用できません。