2018年3月28日(水)

アジの開き作り

通常ならばこの時期のアジは痩せています。それは外洋から上って来たばかりなのでガツガツしています。今まで餌を食べていないので当たり前です。ところが、今年の冬は違います。横浜港内で越冬したアジがそのまま居残っています。水温が下がり始めれば、アジは深いところに落ちて行きます。東京湾でも10度を切るようになっても、横浜港内では少し暖かいと思われます。横浜港内で居残っていても水温はかなり低いので、よほどの条件が揃わない限り活発な喰いはまだ期待できません。

久里浜観音崎周辺ではこのところアジが釣れて来ました。でも、喰いがいいので釣るには面白いですが、食べたらまだいまいちです。このアジを開きにしてもあまり美味しくはありません。何故なら痩せているからです。

今日、作ったアジの開きは横浜港内の丸々太ったコロコロしたアジです。腹を割いていても脂でギトギトになります。こういうアジは開きにしても美味しいです。

脂の乗ったアジですが、血合いが残っていてはいけません。私は釣って針を外すときに、ハサミでエラを一枚切ります。いきなり殺してしまってはいけません。毛細血管の血を抜くには失血死させなければ抜くことはできません。かわいそうな気もしますが、美味しく頂くにはこうすることがベストです。プロの開き屋さんがやっている包丁の入れ方は一発で開いてしまうのが当たり前です。でも、このやり方では内臓を切り裂いてしまうので、内臓の臭みが身に移ってしまいます。私は腹の皮だけに包丁を入れてまず内臓を取り出します。ここで一度洗ってから、改めて包丁を入れて開いていきます。二度手間になるのですが、美味しくいただくにはこれが一番です。開いてからは丹念にササラで洗います。骨のそばにある血合いもしっかりと取り去ります。

海水と同じ塩分濃度の漬け汁に久保田を少し入れています。風味付けです。