2017年9月1日(金)

タチウオとの駆け引き

タチウオをいかに針掛かりさせるか? 今、私が悩んでいるのはまさにこれです。自分自身でも相当考えていますが、この前はこの方法でよく掛かったのに、今日はダメだったなんてことばかりです。その時の天候や時間、潮の流れ具合、風向きはたまた潮の澄み具合などでタチウオの活性が変わるのでタチウオの捕食行動にかなりの違いが出てきます。

一つの誘いパターンだけでは、うまくその時に合っている時もありますが、往々にして対処できない事が多いです。当たりがあってもうまく針掛かりさせることができずに ”カリカリ” しているのは私だけでしょうか?

自分だけで考えても大したことがないので、多くの名人の方にいろいろと聴いてみました。聴いてみると、うまい方は釣り方にいろいろなバリエーションを持っています。自分ながらにまとめてみましたので紹介します。

【タチウオの活性の良い時】
喰いのいいと思われる時はそれほど悩むことなく釣れると思います。シャクリのパターンも強くて構いません。でも、当たりがあって一気に引き込むことばかりではないので、当たりが出る前と同じシャクリを続けていた方がいい。タチウオの口に針が掛かって痛い思いをしない限り、餌が残っている限り同じ餌を追い続けると思われます。一回一回のシャクリに合わせるくらいの強いシャクリをした方がいい場合があります。これで掛かる時には仕事が早いです。なぜなら、わざわざ合わせなくても掛かってしまうからです。喰いのいい時には釣り人もそれほど悩まなくてもいいと思います。こういう時には大きく合わせることなく何となく掛かってしまうことがあります。ガッチリと合わせをしていないで何となく掛かってしまった時などは針先がタチウオの口から抜けないでちょっとだけ掛かっている場合があります。こういう時は途中でバレたり、水面でバレたりすることが多いです。また、餌を針ごと呑み込んでいると、あの歯で切られてしまいます。口の中奥に入った針を抜き出すためにも強い合わせが必要です。

【タチウオの活性の悪い時】
こういう時こそテクニックの良し悪しがはっきりと出ます。まず、今自分がしているシャクリに当たりが出ない時にはシャクリの強さを変えてみる。次に巻き上げるリールの量を変えてみる。通常のリールの巻き上げ量一振りにリール半回転から1/3回転にするとかしてみる。しゃくり上げた後、ほんのちょっとの間止めてみる。当たりがあったら、最初は今までと同じシャクリパターンを繰り返す。そうこうしているうちに針掛かる。そうでなく離してしまう場合は動かさずにしばらくじっと待つ。再び餌をくわえたと感じたら、そっと竿先を持ち上げてくる。タチウオの方から持ち込まない限りは合わせてもまず掛からない。しかし、こういう場合は餌を離しもしない。くわえているだけの状態です。我慢比べみたいなものですが、1分以上待ってやっと針掛かりする場合もあります。当たりがあった後、じっと待っていてもくわえない時には竿先をガチャガチャ動かすいわゆる「シェイク」をすると再び餌をくわえることもあります。

タチウオはあの獰猛そうな顔に似合わず、餌を喰うときにはとても繊細な喰い方をします。餌は通常サバやコノシロの切り身を使いますが、タチウオにとってはイワシを食べようとしていると思われます。天然のイワシではなかなか追いつけませんが、傷ついた手負いのイワシがひらひら泳いでいると思って喰いつくのではないかと思っています。

*富津川崎丸によく通われている女流名人からもそのテクニックを聴きました。
①竿先を海面まで下げた状態から斜め45度くらいまでビシッとシャクる。
②止めを入れる。
③竿先を下げるタイミングでリールを半回転くらい回す。

基本的には強めのシャクリから始める。当たりがなければ、シャクリを弱めフワッとさせてみる。リールを回す幅を1/3から1/4と小さくしてみる。強から弱に変更する感じでしょうか?強めで当たりがあれば、何となく活性が高いかなと感じる。その方が手返しがいいので強めから始めている。止めは入れない方が良い時もありますが、私はほんの一瞬でも止める気持ちでやっている。一(シャクる)、二(止め)、三(回す)とリズム良く当たりのパターンを探る。これの繰り返しです。腕が疲れるが、根気よく続けることが大事。

・当たってから掛けるまで
基本的には当たりを出すまでと同じシャクリを続ける。
当たったということはタチウオが興味を持ってくれた誘いなので、不自然に変えずにそのまま続けて、喰いこむまでやる。同じシャクリ方では離してしまう場合にはリールを回す幅を小さくするがシャクリの強さは変えない。それでも離してしまうときにはリールは回さずにその場でシャクリ続ける。それでもダメならシャクリを弱めてみる(チョンチョンみたいな、、、)。これでも離してしまうときには、一か八か、リールを抑えてシェイクしてみる。小魚が暴れる感じを演出?たまには興味を持って喰ってくれることもある。

当たってから針掛かりさせるまでに何通りも試してみて、その日のパターンを早く掴むのがコツと言えばコツです。一日の中でも時々刻々とパターンが変わるようです。*

私にはこの女史の説明は大変参考になりました。タチウオの喰い方はいい時と悪い時とにはっきりと大別されるわけでもありません。最初の当たりは小さくても、うまく誘えばすぐにガッチリと喰ってくる場合だってあるのです。その時その時の当たりを見て、どのような誘いがいいのかその釣り人なりに探り出すことが大事なのでしょうね。私なんてまだまだです。でも、これだけは言えます。タチウオ釣りは面白い!!